千葉のアンコールワットー嶺岡牧(みねおかまき)

南総学舎、先週末の客人は、元東京大学大学院教授、日暮晃一先生。友人の原さん(そば打ち師匠)のご紹介で、鴨川市天津から来てくださった。日暮先生は知る人ぞ知る、嶺岡牧(みねおかまき)の研究者である。ちょっと前まで鴨川市の観光アドバイザーも務めておられた方。

嶺岡牧とは鴨川市、南房総市をまたぐ一帯に広がっていた幕府直轄牧の一つ。面積は1760㌶にも及び、軍馬のほか白牛が飼われ、房州が「近代酪農発祥の地」となるきっかけとなった。今では千葉は生乳生産量で四位に落ちてしまったが、森永乳業も明治乳業もカルピスも皆、この地から生まれた企業なんだそうです。

日暮先生は、インディージョーンズのように山の中を歩き回って、嶺岡牧の多くの遺跡を探し当て、実はこの牧の面積のほとんどが、住宅地などになっていない山間部、農地であり、日本で唯一、その跡を残す牧場なため、再生可能であることを発見。この場所での牧畜の再生を中心とした壮大な町おこしを提言しています。確かに嶺岡の尾根伝いをオフロードバイクで走っていると、遺跡らしきものを見かけたことがあり、ここにお城でも立っていたのかと疑問に思ったことがあります。地元では、この地こそ千葉のアンコールワットであると言う人たちがいるほど。

日暮先生はシンポジウムなどを通じて提言を続けておられます。とても面白い提言である一方、規模が壮大すぎて、実現には多くの人々の力、特に政治の力を借りなければ到底無理なプロジェクトです。そんなことでご相談にお見えになったのですが、まだ私にも先が見えません。ゼミの学生のみなさんとこの南総学舎でデザインシンキングの手法を使って方向性を見極めてみようと思います。

トランプ大統領は戦争をするか?

アメリカの心理学者、デービッド・マクレランドは、よく知られる社会的欲求(Social Motive)理論を作り上げた人だ。彼はその後、マクレランドセンターというリサーチ・コンサルティング会社を立ち上げた。マクレランドセンターは、その後、私が所属していたヘイコンサルティンググループの一部になったので、私もそのセンターの研究員とよく仕事をしたものだ。社会的欲求理論では、人間の根本的な社会的欲求(あるいは動機)には、(1)達成欲求、(2)親和欲求、(3)権力欲求の3つがあると説く。(後に4つ目の回避欲求が付け加えられた。)人は皆、この3つの欲求を持っているが、人によってそのパターンやレベルが異なり、それが個人ごとに特徴のある社会的行動に結びついているというものだ。世界各国の7万人近いサンプルを元に展開している理論なので、これはかなり納得できる理論体系である。

センターの研究の一つに、アメリカ歴代大統領の社会的欲求を分析したものがある。元大統領のほとんどは他界しているので、分析に当たっては、彼らが残したスピーチや書物などを特殊なソフトで解析した。その結果が下の表だ。これまでの大統領には3つのグループの人たちがいる。グループA(黄色でハイライト)は(2)親和欲求が低く、(3)権力欲求が高いパターンだ。このグループの大統領たちは、リーダーシップがあって、決断力がある「強い大統領」だったという印象を持たれている。グループB(緑でハイライト)は(2)親和欲求が比較的高いパターンだ。このグループは、「イマイチ」の大統領で、アメリカ国民の間でもあまり語られることはない。印象深くないリーダーである。グループC(紫でハイライト)は(1)達成欲求が高く、それと比べると(2)親和欲求と(3)権力欲求が低いパターンである。この人たちは個人としての能力はとても高かったが、親和、権力欲求の欠如で、周りの人たちに影響を与えて彼らを動かすことができなかった。空回りしたリーダーである。

さて、ドナルド・トランプ大統領である。一年前まで多くの人たちは、彼のコミカルな演説を聞いて、あまりにも常識破りで、有り余る「カネ」を武器にとにかく目立ちたいだけの変人、道楽者ぐらいにしか思っていなかったのではないだろうか?しかし、彼は諦めずやり遂げた。生涯をかけて執着しているのは、権力である。上の三つのグループでは明らかにグループAに属する。グループAの全ての大統領たちは、敵対する相手国に対して躊躇なく戦争を仕掛けた人たちである。従って私は、トランプ大統領は間違いなく戦争をすると読む。すでにシリアに対して59発のトマホークを発射したが、これはまだ序の口だろう。北朝鮮がアメリカに対して何らかの攻撃を仕掛けたら、アメリカ軍は間違いなく大きな牙を剥くだろう。

アメリカ大統領分析

朝型と夜型

これまで色々なビジネスリーダーの皆さんとお会いしてきたが、ビジネスリーダーのほとんどは朝型人間。早朝、部下の皆さんがオフィスに来る前にひと仕事もふた仕事も片付けてしまう。部下たちが出社した途端、自分のペースで仕事ができなくなってしまうのも大きな理由だ。人によって時間帯は異なるが、早朝の2時間くらいの生産性が普段の3−5倍くらいだという。

長年の友人で、社長業と講師業(NHK実践ビジネス英語)の二つを30年近く立派に両立させて来た杉田敏さんは別格かもしれない。彼は夜9時には床に入る。起床は3時。カラス達とほぼ同時刻に新宿中央公園方面に向かう。パークハイアットのジムで一汗かき、その後、誰もいないオフィスでひと仕事。そんな毎日だ。早朝メールを送るとリアルタイムでレスがある。

私にとって大切な時間帯は。朝、8時−10時。ゴールデンタイムと呼んでいる。生産性は普段の3倍以上。この時間帯で大体のことは片付く。ちょっと不可能かもと感じていたような資料作りや教材作りも、自分で驚くほど出来上がってしまう。これまでずっとこの時間帯をあてにして仕事をしてきたが、裏切られたことはない。この時間を過ぎると世の中に流され始める。

こんなことを書いていたら、杉田さんのことが気になり始めた。昨年ようやく社長業を引退したので、その後の生活は少し変わっているかもしれない。久しぶりに一緒に飲まないと。。。

静岡銀行の新頭取が内定

静岡銀行の新頭取に柴田久氏(53歳)が内定になった。12年間頭取を務めた中西勝則氏は代表権のある会長になる。そのアナウンスメントを見た人たちの中には中西頭取の年齢が63歳とあったのに驚いた人も多いのでは。

世の中では60歳を過ぎてようやく社長になる人も多い中、地銀トップクラスの静岡銀行の舵取り役はとにかく若いのだ。これは組織風土に大きな影響を及ぼすファクターだと思う。静岡銀行の顧問を3年ほど務めさせていただいているが、行内が明るく、強い活力を感じる。その原因の一つは明らかにトップの若さだろう。

ご存知の通り、地銀を取り巻く環境はたいへん厳しい、地銀の存在意義自体を問われている状況だ。柴田新頭取には、地銀の新しい役割を模索しつつ、どんどん新しいことに挑戦してほしい。

実は中西頭取は、私の清水東高校時代の同級生だが、彼は少年の頃からリーダー人材だった。これは多くの同級生が口を揃えて言っている間違いのない事実だ。この12年間はメチャメチャ忙しい毎日で、顧問の私ですら時間をいただくのが大変だったくらいだが、会長になったらゆっくり話をしたい。

ダイヤモンド ハーバード ビジネスレビューへの投稿記事

ちょうど一年前になるが、日本企業のグローバル化とグローバル人材育成について自分の考え方をまとめたのが以下の連載記事です。状況はまだあまり変わっていないと思います。

(1)日本企業はグローバル・リーダーを育てているか

http://www.dhbr.net/articles/-/4148

(2)事例で考える−世界で通用する人材の育て方

http://www.dhbr.net/articles/-/4165

(3)なぜリーダー研修で効果が出ない企業が多いのか

http://www.dhbr.net/articles/-/4166

(4)グローバル化の形によって必要な人材は全く異なる

http://www.dhbr.net/articles/-/4167

(5)アジアのエリートは、なぜ日本企業で働きたくないのか?

http://www.dhbr.net/articles/-/4185

(6)日本企業が「モノづくり力」よりも大事にすべきこと

http://www.dhbr.net/articles/-/4216