I must move on …

7月末の富士登山研修が終わってから、今日までずっと駆け抜けてきた。シンガポール集中授業、企業研修、インドネシア出張、シンガポール講演、早稲田MBAエッセンシャルズ、南総学舎研修、企業研修、思い出すだけでも大変なイベント続きだった。でも家の者に言わせると、このところ私の夏〜秋はこんな感じなのだそうだ。明日、日曜日の学校説明会での模擬授業を終えると、一週間まるまる休める。その間にも10月以降の講演、研修の準備をしなければならないことはあるにしても、少し息をつける。あと1日で。。。

でもそんな自分の中で何かが起こりそうな予感がする。早稲田の仕事も客員教授時代から数えると11年目、フルタイムになってから7年。早稲田に入る前のコンサルタントのキャリアではこんなに長く同じ仕事をすることはなかった。同じ会社にいても仕事の内容はちょくちょく変わったし、昇進したり、オフィスの場所が移ったり、海外に赴任したりと4−5年で必ず変化があった。今回は長い。。。「I must move on …」と自分の中からつぶやきが聞こえる。

2017年富士登山リーダーシップ研修

7月29−30日、富士登山リーダーシップ研修が終わった。早稲田大学ビジネススクールからはMBA生が、南総学舎からは企業の参加者が集うプログラムなのだが、毎年人気が高まり、今回はバス一台がMBAで埋まってしまった。来年からは2台目のチャーターが必要になるかも?

今年の富士山は、梅雨明けしてからの方が天気が悪く、8月中旬までは不安定な気候になるとの予報だった。案の定、当日も五合目の雨から始まった。六合目を超える頃には雨脚は強まり、カッパを着ていてもどんどん濡れる。靴も湿って、中がジュクジュクして来る。悪天候で登山のペースが落ちるので、八合目に着く午後7時頃の気温によっては濡れた体で低体温症になる危険性もある。富士登山が初めての参加者が多いので、雨が止まない場合、中断することも考えてグループリーダー達とラインで意見交換した。七合目を超える頃には、別のグループから連絡があり、二人が体力問題で断念したのでリーダーが二人を連れて下山し、残りのメンバーを近くにいたグループに合流させるという連絡が入った。過去のケーススタディーで学んだプランBがしっかり実行できていて安心した。

その後、天気が少し回復したこともあって、結局、残りの我々は上を目指し、午後8時までに全グループが八合目の宿にたどり着いた。結局、46名中5名が体力問題と高山病で断念したのだが、9割の参加者が上まで登れたというのはまずまずの結果だった。

ところが八合目までで既に気力と体力を使い切ってしまっていて、翌朝は頂上を目指さずに下山したいという女性参加者が三人でてきた。実はこれも毎年必ずおこる。高山病でない限り、こういうメンバーの心のケアがとても大切になって来るのだが、今回の参加者はチームワークがとてもよくできていた。メンバーに励まされた三人は、宿にいた数時間で心の準備が整った。そして翌日、深夜12時半という早めの時間に宿を出発し、約2時間半後、全員が頂上に立つことができた。やはり感動で何人かは泣いていた。

今回もいろいろな問題が起こった。登る上でのチームワークは完璧に近かったのだが、混み合う頂上で互いに連絡が取れなくなってしまい、下山にあたってチームがバラバラになってしまった。結果、体力があるものはどんどん下っていき、下山のスピードが遅いものたちは、他のグループの遅いメンバーと別のグループを作らざるを得なかった。各リーダーもメンバーの誰が一体どこにいるのかが把握できていなかった。富士山だから良いものの、他の山だったら完全にNGだ。またこれを来年の新たしいケーススタディーにしようと思う。あと、7月末の富士山はどうしても混雑するので、一合目—五合目のルートでの研修の可能性も考えたいと思う。

富士登山リーダーシッププログラム

毎年、MBA生を対象にリーダー/フォロワー教育を目的とした富士登山をやっている。今年で7年目を迎える。年ごとに参加者が増え、今ではバス2台をチャーターするほどの規模になった。MBA生は2年毎に入れ替わるので、いつでも20代。一方的に歳をとっていくのは私だけだ。はっきり言ってチョットしんどくなっている。しかも、このところ続いてる手術のせいで、筋力の低下も気力を削いでいる。 いろいろと悩んだが、リーダーの本質は、lead by example だと自らを奮い立たせ、準備を始めた。毎日1キロの重りを両足首に巻きつけて歩いている。西早稲田駅から学校までの道を歩くと、ドンドン若い人達に抜かれる。ヨボヨボのお爺ちゃんに見えるんだろうなあ。。。

千葉のアンコールワットー嶺岡牧(みねおかまき)

南総学舎、先週末の客人は、元東京大学大学院教授、日暮晃一先生。友人の原さん(そば打ち師匠)のご紹介で、鴨川市天津から来てくださった。日暮先生は知る人ぞ知る、嶺岡牧(みねおかまき)の研究者である。ちょっと前まで鴨川市の観光アドバイザーも務めておられた方。

嶺岡牧とは鴨川市、南房総市をまたぐ一帯に広がっていた幕府直轄牧の一つ。面積は1760㌶にも及び、軍馬のほか白牛が飼われ、房州が「近代酪農発祥の地」となるきっかけとなった。今では千葉は生乳生産量で四位に落ちてしまったが、森永乳業も明治乳業もカルピスも皆、この地から生まれた企業なんだそうです。

日暮先生は、インディージョーンズのように山の中を歩き回って、嶺岡牧の多くの遺跡を探し当て、実はこの牧の面積のほとんどが、住宅地などになっていない山間部、農地であり、日本で唯一、その跡を残す牧場なため、再生可能であることを発見。この場所での牧畜の再生を中心とした壮大な町おこしを提言しています。確かに嶺岡の尾根伝いをオフロードバイクで走っていると、遺跡らしきものを見かけたことがあり、ここにお城でも立っていたのかと疑問に思ったことがあります。地元では、この地こそ千葉のアンコールワットであると言う人たちがいるほど。

日暮先生はシンポジウムなどを通じて提言を続けておられます。とても面白い提言である一方、規模が壮大すぎて、実現には多くの人々の力、特に政治の力を借りなければ到底無理なプロジェクトです。そんなことでご相談にお見えになったのですが、まだ私にも先が見えません。ゼミの学生のみなさんとこの南総学舎でデザインシンキングの手法を使って方向性を見極めてみようと思います。

トランプ大統領は戦争をするか?

アメリカの心理学者、デービッド・マクレランドは、よく知られる社会的欲求(Social Motive)理論を作り上げた人だ。彼はその後、マクレランドセンターというリサーチ・コンサルティング会社を立ち上げた。マクレランドセンターは、その後、私が所属していたヘイコンサルティンググループの一部になったので、私もそのセンターの研究員とよく仕事をしたものだ。社会的欲求理論では、人間の根本的な社会的欲求(あるいは動機)には、(1)達成欲求、(2)親和欲求、(3)権力欲求の3つがあると説く。(後に4つ目の回避欲求が付け加えられた。)人は皆、この3つの欲求を持っているが、人によってそのパターンやレベルが異なり、それが個人ごとに特徴のある社会的行動に結びついているというものだ。世界各国の7万人近いサンプルを元に展開している理論なので、これはかなり納得できる理論体系である。

センターの研究の一つに、アメリカ歴代大統領の社会的欲求を分析したものがある。元大統領のほとんどは他界しているので、分析に当たっては、彼らが残したスピーチや書物などを特殊なソフトで解析した。その結果が下の表だ。これまでの大統領には3つのグループの人たちがいる。グループA(黄色でハイライト)は(2)親和欲求が低く、(3)権力欲求が高いパターンだ。このグループの大統領たちは、リーダーシップがあって、決断力がある「強い大統領」だったという印象を持たれている。グループB(緑でハイライト)は(2)親和欲求が比較的高いパターンだ。このグループは、「イマイチ」の大統領で、アメリカ国民の間でもあまり語られることはない。印象深くないリーダーである。グループC(紫でハイライト)は(1)達成欲求が高く、それと比べると(2)親和欲求と(3)権力欲求が低いパターンである。この人たちは個人としての能力はとても高かったが、親和、権力欲求の欠如で、周りの人たちに影響を与えて彼らを動かすことができなかった。空回りしたリーダーである。

さて、ドナルド・トランプ大統領である。一年前まで多くの人たちは、彼のコミカルな演説を聞いて、あまりにも常識破りで、有り余る「カネ」を武器にとにかく目立ちたいだけの変人、道楽者ぐらいにしか思っていなかったのではないだろうか?しかし、彼は諦めずやり遂げた。生涯をかけて執着しているのは、権力である。上の三つのグループでは明らかにグループAに属する。グループAの全ての大統領たちは、敵対する相手国に対して躊躇なく戦争を仕掛けた人たちである。従って私は、トランプ大統領は間違いなく戦争をすると読む。すでにシリアに対して59発のトマホークを発射したが、これはまだ序の口だろう。北朝鮮がアメリカに対して何らかの攻撃を仕掛けたら、アメリカ軍は間違いなく大きな牙を剥くだろう。

アメリカ大統領分析

朝型と夜型

これまで色々なビジネスリーダーの皆さんとお会いしてきたが、ビジネスリーダーのほとんどは朝型人間。早朝、部下の皆さんがオフィスに来る前にひと仕事もふた仕事も片付けてしまう。部下たちが出社した途端、自分のペースで仕事ができなくなってしまうのも大きな理由だ。人によって時間帯は異なるが、早朝の2時間くらいの生産性が普段の3−5倍くらいだという。

長年の友人で、社長業と講師業(NHK実践ビジネス英語)の二つを30年近く立派に両立させて来た杉田敏さんは別格かもしれない。彼は夜9時には床に入る。起床は3時。カラス達とほぼ同時刻に新宿中央公園方面に向かう。パークハイアットのジムで一汗かき、その後、誰もいないオフィスでひと仕事。そんな毎日だ。早朝メールを送るとリアルタイムでレスがある。

私にとって大切な時間帯は。朝、8時−10時。ゴールデンタイムと呼んでいる。生産性は普段の3倍以上。この時間帯で大体のことは片付く。ちょっと不可能かもと感じていたような資料作りや教材作りも、自分で驚くほど出来上がってしまう。これまでずっとこの時間帯をあてにして仕事をしてきたが、裏切られたことはない。この時間を過ぎると世の中に流され始める。

こんなことを書いていたら、杉田さんのことが気になり始めた。昨年ようやく社長業を引退したので、その後の生活は少し変わっているかもしれない。久しぶりに一緒に飲まないと。。。

静岡銀行の新頭取が内定

静岡銀行の新頭取に柴田久氏(53歳)が内定になった。12年間頭取を務めた中西勝則氏は代表権のある会長になる。そのアナウンスメントを見た人たちの中には中西頭取の年齢が63歳とあったのに驚いた人も多いのでは。

世の中では60歳を過ぎてようやく社長になる人も多い中、地銀トップクラスの静岡銀行の舵取り役はとにかく若いのだ。これは組織風土に大きな影響を及ぼすファクターだと思う。静岡銀行の顧問を3年ほど務めさせていただいているが、行内が明るく、強い活力を感じる。その原因の一つは明らかにトップの若さだろう。

ご存知の通り、地銀を取り巻く環境はたいへん厳しい、地銀の存在意義自体を問われている状況だ。柴田新頭取には、地銀の新しい役割を模索しつつ、どんどん新しいことに挑戦してほしい。

実は中西頭取は、私の清水東高校時代の同級生だが、彼は少年の頃からリーダー人材だった。これは多くの同級生が口を揃えて言っている間違いのない事実だ。この12年間はメチャメチャ忙しい毎日で、顧問の私ですら時間をいただくのが大変だったくらいだが、会長になったらゆっくり話をしたい。

ダイヤモンド ハーバード ビジネスレビューへの投稿記事

ちょうど一年前になるが、日本企業のグローバル化とグローバル人材育成について自分の考え方をまとめたのが以下の連載記事です。状況はまだあまり変わっていないと思います。

(1)日本企業はグローバル・リーダーを育てているか

http://www.dhbr.net/articles/-/4148

(2)事例で考える−世界で通用する人材の育て方

http://www.dhbr.net/articles/-/4165

(3)なぜリーダー研修で効果が出ない企業が多いのか

http://www.dhbr.net/articles/-/4166

(4)グローバル化の形によって必要な人材は全く異なる

http://www.dhbr.net/articles/-/4167

(5)アジアのエリートは、なぜ日本企業で働きたくないのか?

http://www.dhbr.net/articles/-/4185

(6)日本企業が「モノづくり力」よりも大事にすべきこと

http://www.dhbr.net/articles/-/4216